公益社団法人の強みは、社員(議決権を持つ構成員)が存在し、幅広い人が法人運営に参加できる点にあります。他方、社員資格に条件を付けると「人が増えないのでは?」という不安も出がちです。
結論から言えば、社員資格を一定程度絞りつつも、活動の裾野を広げる設計は十分可能です。コツは、参加の入口を一つにしないことです。

まず、社員は“意思決定の担い手”として設計し、活動参加者・支援者は別レイヤー(会員、賛助会員、サポーター、ボランティア等)で広く受け入れる方法が定番です。
社員は専門性や責任を担保する範囲に限定しつつ、会員制度で「誰でも参加・応援できる」導線を整えることで、社会的な巻き込みを確保できます。社員=運転席、会員=同乗者とたとえると分かりやすいかもしれません。
次に、人数が増えること自体がハードルになる場合は「代議員制度」の活用が有効です。会員母集団を大きくし、その中から一定の手続で代議員を選び、代議員が社員総会で議決権を行使する仕組みにより、参加の広がりと意思決定の機動性を両立できます。
ポイントは、代議員の選出方法・任期・解任、選挙管理の透明性を定款や規程で分かりやすく設計することです(「どうやって選ばれたの?」が説明できる仕組みが正義です)。
広げたいのは“社員数”ではなく“参加者数・協力者数”であることも多いはずです。広報、イベント、寄附、ボランティア、企業連携など、社員以外が活躍できる場を制度と運用で用意すれば、社員資格を設けても活動は十分に拡張できます。
HP上も「社員になるには」「会員として参加するには」「寄附・協賛するには」を分けて案内すると、入口が増えて結果的に人が集まります。社員資格はブレーキではなく、ハンドルを安定させるためのパワーステアリング、くらいに捉えるとちょうど良いかもしれません。