公益社団法人では、社員・会員の双方から「会費」を徴収するケースが多いものの、同じ“会費”でも位置づけと決め方は結構違います。ここを曖昧にすると、未納対応や返金可否、会計処理の説明でつまずきがちなので、最初に整理しておくのがおすすめです。

社員は法人の構成員であり、定款に定めがある場合に会費(経費)を納入する義務を負います。社員の会費は、法人運営や公益目的事業を継続するための基盤的な財源として位置づけられ、額や納入方法は定款または社員総会決議で定めるのが基本です。
社員が納入を怠った場合、定款の定めにより社員資格を喪失させる運用も可能ですが、その場合は「いつから未納と扱うか」「催告の方法」「弁明の機会」「決定機関」を定め、手続の公正さを確保することが肝心です(いきなりの退場宣告は、さすがに荒いです)。

会員は任意制度なので、会費の額・区分(年会費、賛助会費、法人会員等)・納入方法・未納時の扱いは会員規程で比較的自由に設計できます。会員会費は、活動への賛同・支援の意味合いが強く、イベント運営費や広報費、会員向けサービス等の補助的財源として使われることが多いでしょう。
未納時も、会員資格の停止、会員特典の停止、一定期間で退会扱いなど、運用ルールを規程で定めておけば足ります。
一般に、社員会費はガバナンス参加の責任も踏まえて一定の負担を求め、会員会費は参加のハードルを下げるため低めに設定することが多いです。もっとも、社員会費を高額にしすぎると社員が固定化し、公益社団法人の開かれた運営という観点で説明が難しくなることがあります。
逆に、会員会費を複数コースにし「応援したい人は上位プラン」も用意すると、裾野と財源を両取りできます。
なお、会費の取扱いとして「入会月に応じた月割り・日割り」「年度途中退会時の返金の有無」「領収書の発行方法」も、社員・会員それぞれでルール化しておくと運用が滑らかです。会費と別に参加費・受講料等を徴収する場合は、会費(支援)と対価性のある収入(サービス提供)を区別して案内すると、会計・説明の両面で整理がつきます。