スポーツ団体の運営において、地域の方々やOB・OGによる指導協力は大きな支えとなっています。
しかし、一般社団法人やNPO法人などで特に注意すべきは「名ばかりボランティア」のリスクです。
「謝礼」や「交通費」といった名目で金銭を支払い、なおかつ指導の日時や場所を厳密に指定し、法人の指揮命令下においている場合、実態としては法的に「労働者」と認定される場合があります。
2.労働者認定された場合のリスク

もし労働基準法上の労働者とみなされた場合、過去にさかのぼっての未払い残業代の請求や、活動中の事故に対する労災保険の適用漏れなど、法人が想定していなかった多大な法的義務と金銭的負担が発生します。非営利団体であっても労働法規は厳格に適用されるのです。
「労働契約」「業務委託契約」「純粋なボランティア」の境界線を明確にし、実態に即した契約書や委嘱書を交わしておくことが不可欠です。
3.報酬や手当の透明性確保と「お手盛り」防止

指導者への謝礼や手当の基準を曖昧にせず、規程として明文化しておくことは、労務リスクを回避するだけでなく、資金の透明性を高める上でも極めて重要です。
また、現場の指導者だけでなく、法人を運営する役員や評議員に対する報酬等についても、内閣府令等で定めるところにより支給基準を定め、公表しなければなりません。この支給基準では、常勤・非常勤といった勤務形態に応じた報酬等の区分、その額の算定方法、支給の方法及び形態に関する事項を明確に定める必要があります。
こうした厳格なルールは、理事が自らの報酬等を自由に決める「お手盛り」を防止し、法人の大切な財産が不当に費消されるのを防ぐためのものです。末端の指導者への支払いの適正化から、トップである役員報酬の透明化に至るまで、一貫したコンプライアンス意識が求められます。